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2009/03/17 (火) カテゴリー: 日記・妄想
俺の地元は荒れていた。
片親だった俺は、貧しい暮らしの中、川に流されてゆく硝子の破片のように自然に、 "すれて"いった。
それは、逆らうことのできない当然の流れのように感じた。
毎日、その身を削り、心を削り、そうやって生きていた俺には、夢も希望もなく、ただ「現実」だけがあった。
俺は、どこにいても孤独だった。突然家を出ていった「父」のように…自らの信頼を裏切られ、傷付くことを恐れていた。
「信じていたのに。」
そう思うことは、もう2度とごめんだった。
『もう誰も、信じない。』
俺はそう、心に決めていた。「現実」だけが俺にとって唯一の信頼できるものであり、そして現実は、残酷なほどに無情であることも、当時の俺は知っていた。
そうだ…
当時の俺は、どこにいても、孤独だった…。
これは俺が、中学三年の頃の話だ。
深夜、駅前にカラーギャングがたむろし、毎日のようにチーム抗争に明け暮れていた。地元では有名な不良だった俺は、当然な流れのように、地元の2大勢力のひとつである、チームカラーが青の…
(そうだな、実名を出すのもマズいから、ここでは…
『ブルー』
と呼んでおこう)
ブルーというチームで、サブリーダーをしていた。力だけは強く、喧嘩に負けたことがなかった俺は、自然とサブリーダーに登り詰めた。
それもある種の、「流れ」だった。
ある日、チームのうちの1人、「シゲ」が、他のチームのやつにボコボコにされ、全身骨折で病院送りにされた。
俺は、息をきらせ走ってきたメンバーからの、その"知らせ"を聞いて、シゲの搬送された病院に直行した。
シゲは、俺の弟分で、俺のことをいつも、
「ハドさん、ハドさん」
と呼んで慕ってくれていた。(俺は、チームではハドと呼ばれていた。キレると歯止めがきかないから、歯止らしい。安直極まりないが、あだ名なんてのは、大体そんなもんだろう。今、パトリックと名乗っているのは、これが由来だ。まぁ、そんなことはどうでもいいな)
とにかく、シゲは兄弟のいなかった俺にとって本当の弟のような存在だった。
人と親密になることを拒み、無口で冷酷だった俺には、あまり人は寄り付かなかったが、シゲだけは違った。
「ハドさん、ハドさん」
と、俺にまとわりついて、離れなかった。
子犬みたいなやつだ、そう思っていた。そう、子犬みたいに無邪気で、根の優しい、いいやつだった。
そのシゲが、
そのシゲが…
顔は青痣やこぶでグチャグチャに膨れ上がり、全身を包帯で何重にも巻かれ、鼻から管で点滴をうたれていた。腫れたこぶの下から僅かにのぞいている小さな目には、光がなかった。
もはや、シゲの面影はない。
「シゲ…」
「…ははは、しくっちゃいました。」
「…。」
「まぁ大丈夫、すぐ直して、戻りますよ!俺の生命力はサイヤ人並ですから!」
無言の俺を逆に気にしたのか、シゲは強がってみせた。
俺はその気丈な姿に、涙をこらえることができなかった。
『(先輩、なんで泣いてんすか、俺、ピンピンっすよ。俺…)』
シゲの笑顔をみたのは、それが最後だった。
地元では、その事件は結構大きく報道された。対立していたグループの数人が警察に事情聴取を受け、3人が、捕まった。
だが、それで終わりにはしない。いや、してはいけない。シゲのために。
復讐なんてのは、愚かなことかもしれない。だが、父親も、恋人も、気のおける友人もいなかった当時の俺には、チームの仲間は大きい存在であった。とりわけ、シゲの存在は…。
その事件は、俺の低い沸点を爆発させるのに、十分すぎる起爆剤となった。
そして俺の、復讐が始まった…
…なんてことを、考えていた。
もちろん、これは、妄想である。
片親だった俺は、貧しい暮らしの中、川に流されてゆく硝子の破片のように自然に、 "すれて"いった。
それは、逆らうことのできない当然の流れのように感じた。
毎日、その身を削り、心を削り、そうやって生きていた俺には、夢も希望もなく、ただ「現実」だけがあった。
俺は、どこにいても孤独だった。突然家を出ていった「父」のように…自らの信頼を裏切られ、傷付くことを恐れていた。
「信じていたのに。」
そう思うことは、もう2度とごめんだった。
『もう誰も、信じない。』
俺はそう、心に決めていた。「現実」だけが俺にとって唯一の信頼できるものであり、そして現実は、残酷なほどに無情であることも、当時の俺は知っていた。
そうだ…
当時の俺は、どこにいても、孤独だった…。
これは俺が、中学三年の頃の話だ。
深夜、駅前にカラーギャングがたむろし、毎日のようにチーム抗争に明け暮れていた。地元では有名な不良だった俺は、当然な流れのように、地元の2大勢力のひとつである、チームカラーが青の…
(そうだな、実名を出すのもマズいから、ここでは…
『ブルー』
と呼んでおこう)
ブルーというチームで、サブリーダーをしていた。力だけは強く、喧嘩に負けたことがなかった俺は、自然とサブリーダーに登り詰めた。
それもある種の、「流れ」だった。
ある日、チームのうちの1人、「シゲ」が、他のチームのやつにボコボコにされ、全身骨折で病院送りにされた。
俺は、息をきらせ走ってきたメンバーからの、その"知らせ"を聞いて、シゲの搬送された病院に直行した。
シゲは、俺の弟分で、俺のことをいつも、
「ハドさん、ハドさん」
と呼んで慕ってくれていた。(俺は、チームではハドと呼ばれていた。キレると歯止めがきかないから、歯止らしい。安直極まりないが、あだ名なんてのは、大体そんなもんだろう。今、パトリックと名乗っているのは、これが由来だ。まぁ、そんなことはどうでもいいな)
とにかく、シゲは兄弟のいなかった俺にとって本当の弟のような存在だった。
人と親密になることを拒み、無口で冷酷だった俺には、あまり人は寄り付かなかったが、シゲだけは違った。
「ハドさん、ハドさん」
と、俺にまとわりついて、離れなかった。
子犬みたいなやつだ、そう思っていた。そう、子犬みたいに無邪気で、根の優しい、いいやつだった。
そのシゲが、
そのシゲが…
顔は青痣やこぶでグチャグチャに膨れ上がり、全身を包帯で何重にも巻かれ、鼻から管で点滴をうたれていた。腫れたこぶの下から僅かにのぞいている小さな目には、光がなかった。
もはや、シゲの面影はない。
「シゲ…」
「…ははは、しくっちゃいました。」
「…。」
「まぁ大丈夫、すぐ直して、戻りますよ!俺の生命力はサイヤ人並ですから!」
無言の俺を逆に気にしたのか、シゲは強がってみせた。
俺はその気丈な姿に、涙をこらえることができなかった。
『(先輩、なんで泣いてんすか、俺、ピンピンっすよ。俺…)』
シゲの笑顔をみたのは、それが最後だった。
地元では、その事件は結構大きく報道された。対立していたグループの数人が警察に事情聴取を受け、3人が、捕まった。
だが、それで終わりにはしない。いや、してはいけない。シゲのために。
復讐なんてのは、愚かなことかもしれない。だが、父親も、恋人も、気のおける友人もいなかった当時の俺には、チームの仲間は大きい存在であった。とりわけ、シゲの存在は…。
その事件は、俺の低い沸点を爆発させるのに、十分すぎる起爆剤となった。
そして俺の、復讐が始まった…
…なんてことを、考えていた。
もちろん、これは、妄想である。
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FC2スレッドテーマ : 短編小説 (ジャンル : 小説・文学)
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2009/03/17 | Comment (0) | Trackback (0) |

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