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ミストの感想と考察【映画レビュー】

   ↑  2012/09/04 (火)  カテゴリー: 映画レビュー
最近結構たくさんの映画を観ているが、その中でも特に面白かった
『ミスト』
について考察していこうと思う。ネタバレ有りだから注意。

壮大なテーマを、世界を巻き込んでやるような映画は、安っぽい娯楽映画になりがちだと思う。家族やカップルで観るのには最適だが、観終わった後に面喰ったり考えさせられたりという深みは残らない。
逆に、この映画のように、
「壮大なテーマを、狭い場所を中心に語る」
話は、場面展開が少ない分、人物の心理描写が深くなり、結果的に深みをもった作品が多くなるように思う。ドストエフスキーの罪と罰なんてのは、まさにその代表格。
家族連れやカップルには薦めたくないが、映画が好きな人には薦めてみたくなる映画だ。



「見えないもの」への恐怖


この映画は、宣伝で
「ラスト15分の衝撃」
などというコピーが使われたように(個人的には大嫌いなキャッチコピー)
ラストを取り上げて語られることが多いが、序盤から終盤まで息つく暇も無い緊張感があり、そこがまず素晴らしかったと思う。特に、初めの方、何故霧が出てきたのか、霧の正体が何なのか、どうすれば逃れられるのか、どこまで霧は続いているのか、いつ霧は晴れるのか、いつ救援が来るのか、何もかもがわからない中での不安感を、画面の中の登場人物と共に観客も共有する感覚は、非常に面白いと感じた。映画「プレデター」の序盤を思い出す。謎がある段階が一番面白い。この映画では、終盤まで謎が解けること無く進んでいくため、思考をストップさせること無く見続けられた。

霧という先の見えないもの、正体のわからないものをまず提示することで、「見えないものへの恐怖」という、多くの人間が抱える普遍的テーマを描いたように思う。これは、福島原発の放射能の問題で揺れる日本列島の人間にとっては、耳の痛いテーマでもあるように思う。幽霊も放射能も闇もそうだが、人間は、見えないものや、わからないことを、必要以上に恐れる。パラノーマルアクティビティなどは、そうした恐怖感を最大限に引き出したホラー映画だと思う。人は、見えないものほど恐れるのだ。

だから人は、知ろうとするし、求めようとする。この映画にも、法律という理性の象徴を拠り所とする弁護士の男性が出てきた。彼は訪れる超現象を受け入れることができず、答えを見つけるために外に出て行ってしまった。

現実世界においても、求めた先の答えがわからない場合が多く存在する。自分の未来、死後というテーマは、まさにそうしたことがあてはまる。死後は無でいいし、幽霊は存在しないでいいかもしれない。しかし、もしかしたら死後の世界は存在するかもしれないし、幽霊もいるかもしれない。悪魔の証明になるが、いないことは証明できない。曖昧なものとして捉えられる。

そうした曖昧さに、答えを提示する役割にあるのが、宗教という存在だと思う。なので、「見えないものへの恐怖と戦う」ことがスタートのこの映画に、直接的に宗教的なテーマが取り入れられたのは、尤もなことだと思う。
その場を支配する不安に耐えきれなくなった人間は宗教に拠り所を求め、自らで耐えようとする人間は、その場にいられなくなり、外の世界に出ようとした。
 
不安を抱く人間が恐怖に支配されていく様に、非常にリアリティがあるのも、この映画の評価できる点だと思う。漫画「ドラゴンヘッド」で、ノブオが闇の中で恐怖に支配されたように、この映画でも教祖のような存在が出て来る。これは、現代人にも当てはまることで、多くのカルト信者は、こうした不安と闘う中で、縋る存在を探しているのだと思う。

例えば暗闇の中で虫が襲ってきた場面、A「電気をつけろ!」B「電気に寄ってきているんだ!電気を消せ!」というやりとりがあるが、冷静に考えれば、虫が現れた時に電気をつけるのは自殺行為とわかるはずだが、恐らくは、電気をつけようとした人間には、恐怖感の中での錯乱と共に、闇への恐怖があったのだろう、と思う。そうしたところにもリアリティを感じた。


カルトババア(笑)は、実は本物の預言者?という説


考察として面白いと思ったのは、宗教家の予言が概ね当たっている=本物の預言者だったのでは、という予測がたてられるところ。

彼女は、遺伝子操作など人間は傲慢なことをしてきた!そうした神を冒涜したことへの罪が罰せられているのよ!といったことを言っていたが、まさに、この霧の発端は、異世界の扉を開けて利用しようとしたことであり、そうした、楽園の実を摘み取るような人間の傲慢な行為から始まっている。(もちろん、現実では、そうした神を冒涜すると宗教家からは言われるような行為の積み重ねのおかげで、医療も科学も発達し、我々が恩恵を受けているという背景があるわけだが。)

また、「今夜はもう来ないでしょう。」と言っていた晩に本当に何も起こらなかったこと。(捕食の結果満腹になりそれ以上求めなかったのだろうという現実的な解釈もできるところがポイントだが。)
また、彼女は主人公たちがスーパーから出ていくことを必死で止めようとしていたが、実際に、出て行った人間は主人公を除いて全滅したこと。このように、彼女の予言は基本的に当たっている。また、宗教的には自殺は悪とされるが、実際に、自殺をした主人公たちが悲劇的結末をたどる。

では、彼女は本当に預言者だったのか?自分の意見としては、やっぱり違うと思う。彼女が虫に襲われなかったのは、彼女が死を受け入れ、恐怖を表面に出さなかったから、というだけで、別に信心深いから神の使いである虫も襲わなかったのだ、ということではないと思う。虫たちは人の恐怖から来る敵意を捉え、外敵だと受け止めて刺してきたのではないか。外敵だと認識すると余計に刺してくる蜂と同じようなものではないかと思った。

理不尽さの提示


宗教観、生死観など様々なテーマが包括されているように思うが、自分が一番感じたテーマは、
「現実の理不尽さ」
ということだ。

我々は映画を観ながら、様々な予測をする。例えば、「娘が外にいるの!外に出なければ駄目なのよ!」と言って、「外に出たら死ぬぞ!」と言われていた女性は、通常のホラー映画の場合、完全なる死亡フラグを立てているため、当然観客は死が予測したことだろう。しかし、この女性が最後軍のトラックに乗っているシーンがある。彼女は生き残ったのだ。これは予想外と言わざるを得ない。

また、この作品ではもう一つ予想外があった。それがラストで、何の罪も無い老人二人と少年、女性が死亡することだ。これは、殺されたくないがために自ら命を断とうとする人間の傲慢さが招いた悲劇、という捉え方もできるが、自分はそうではなく、それが現実の「理不尽さ」であるのだ、ということ、この映画は、その理不尽さを突きつけているのだと解釈した。

現実の世界でも、善良な人間が突然トラックに轢かれ死亡したり、通り魔に遭って死亡してしまうことがある。そうした理不尽なことが起こり得るのが現実であり、それは、法律により罪や罰を設定し、医療を発達させることで理不尽さを避けようと努力してきた現代人にとっても、逃れようのないことであると思う。

異次元から化け物が出て来るという荒唐無稽な設定の中、この作品に妙にリアリティがあるのは、SF的設定はあくまで補完として描き、メインを心理描写にしたこともあるが、もうひとつの理由として、こうした「理不尽さ」を、恐れることなく描いた結果だと思う。

罪もない子供を生贄にしようとした女。彼女を殺すこと。
恐怖の中自決を選んだ主人公たちの決定。
娘を助けるために外に出ることを選んだ女性。
そうした事象を観た時に、何が正解だったかを結果論で語ることはできるが、実際に問題に直面していた時に、何が正解か即座に答えを出せる人間はいないだろう。現実は理不尽であり、自分が救われるか、死ぬか、どうなるかはわからない。わからないのが現実であり、彼らの選択を責めることはできないよなあ、と思った。

映画には普通あまりない残酷な理不尽さを突きつけられた故に、モヤモヤ感が残る映画だったが、そこがまた、妙にリアリティがあってよかった。
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 |  2013/09/29 (日) 19:51 No.1235


Re: タイトルなし

> 賛否両論あったので、いちおう観てみましたが…
> 私は今まで観た中でかなりツマラナイ部類に入ると思いました。人によるとは思いますが、たくさん映画を観ておられる方がオススメ映画にすることが疑問でコメントさせていただきます。
ん~感性が人それぞれであるように感想も人それぞれですからね。僕は前評判一切聞かず期待しないで観たからそれだけハードルが低く楽しめたのもあるかもしれません。
個人的には、非常に狭い範囲での物語で、スーパーの中から見える霧の先に何があるか全く想像できないところが面白かったです。霧の先の正体も、化け物がいるのはわかりましたが、何故いるのか、どれくらいの数いるのか、どこまで行けば安全なのか、自分は早い段階からは想像できず、そこが自分にとっては面白い点でした。化け物は見えますが、その背景がわかるのは後で、更に最後の最後スーパーを出た後に想像をはるかに超える巨大な生物が出て来る絶望感。ここに面白みを感じましたが、面白く感じない人もいるでしょう。
映画の感想は人それぞれなので、押し付けるものでもないですしね。でも、言わんとしてることもわからなくはないです。

パトリック・ステイン |  2013/09/29 (日) 22:30 No.1236


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 |  2014/01/16 (木) 12:12 No.1254


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 |  2014/06/15 (日) 22:31 No.1265


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 |  2014/10/25 (土) 00:19 No.1270

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