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時計仕掛けのオレンジ  レビュー  感想  

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時計じかけのオレンジの感想と考察【映画レビュー】

   ↑  2013/02/22 (金)  カテゴリー: 映画レビュー
皆さんこんにちは。今日は、『時計じかけのオレンジ』という映画のレビューをしようと思います。

映画通の友人に
「いままで観て一番印象に残った映画を教えて。」
と聞いたところ勧められた、この映画。確かに、強烈なインパクトでした。


あらすじは時計じかけのオレンジ(Wikipedia)に詳しく載っています。

以下ネタバレ↓

感想

1971年公開の映画だが、今観ても古臭さはあまり感じさせない。むしろ新しささえ感じさせるところがある。アレックスの部屋の家具やCDショップの棚、女性たちが舐めるキャンディーなど、本筋とは関係無いような細かいセットが意味深げに造り込まれており、全体が悪夢のような、象徴的な雰囲気を漂わせている。まさにディストピアと呼ぶにふさわしい光景が拡がるが、この作品はそれを否定も肯定もしない。ただ投げかける。それ故に、この作品を観てどう感じるかは人それぞれだろう。Wikipediaによると、英国では公開後暴力事件が本作に起因するとの加熱報道がされ、キューブリックのもとに多数の脅迫状が寄せられたらしい。映画に影響を受けて犯罪をするような人間は元々頭がどうかしていると思うが、確かに、キチガイを魅了するような何かがこの映画にはある。冒頭からレイプに暴力と、あまりに過激な描写がしつこいほどに繰り返されるため、インモラルな展開を嫌う人は観ない方がいいだろう。冒頭の場面を爽快に感じるか不愉快に感じるかも人それぞれだろう。どう感じるかによって感想は大きく異なってくるはずだ。

『超暴力(Ultra Violence)』と表現される過剰な犯罪行為をする際、抵抗や罪悪感のカケラも感じる様子のないアレックスたちの姿が印象的だ。しかしただのヴァイオレンス映画ではない。過激で混沌とした映画に見えて、
序:アレックスたち含む若者グループが超暴力に明け暮れる
破:仲間に騙されアレックスが捕まる
急:アレックスが実験材料になる
といったように物語の基本的な構成は守られているため、単なるヴァイオレンス映画とも異なった趣がある。導入から終わりまで大胆な展開が連なるため、退屈しない。暴力、レイプといった犯罪行為が『起』で、アレックスの家庭事情が『承』、刑務所から実験までが『転』で、実験後が『結』という捉え方もできるかもしれない。

アレックスの家庭の異常性は特筆すべき点だろう。教師によると、アレックス自体は裕福で成績も悪くはないらしい。そんな彼が何の躊躇も無くレイプや暴力をするまでに歪んだのは、両親の影響が強いだろう。母親は派手なカツラに派手な服、父親は常にオドオドして本心を隠している。子供の本質を見ようもとせず、愛情の注ぎ方がわからない親の典型だ。こうした親から犯罪青年が産まれるのはありそうな話。アレックスがドルーグ(4人組)のリーダーとなった経緯はわからないが、こうした家庭環境から、心の空洞を埋めるために超暴力に走ったのかもしれない。アレックスは、もはや更生の余地はなさそうな残忍な青年として描かれる。

途中、留置場にて、アレックスとキリスト教との出逢いが描かれる。よくある名作系映画の場合、ここでアレックスに罪の意識が芽生え、牧師と交流する中で改心し、犯した罪に対する贖罪、そして救済の物語へと変化していいくところだろう。レ・ミゼラブルのようにだ。しかしこの物語ではそうはならない。あくまでもアレックスは『無邪気』な存在として描かれる。『無邪気』故に罪の意識も無い。刑期を縮めたいがために刑務所では従順に過ごし、吐き気が嫌だから反省していると叫ぶ。しかし自らが妻を犯し人生を滅茶苦茶にした作家の家に入った時も、罪の意識を感じている様子は一切無く、風呂場ではレイプしながら口ずさんでいた雨に唄えばを歌う始末。実験も、アレックスの内面の変化というより、肉体の反射を利用し生理的に訴えかけるような内容であり、自殺未遂で入院後は、実験や牧師との交流のことなどまるで無かったかのように、全くの元通りに戻ってしまった。

また被害者側も『赦し』は一切無く、アレックスの正体がわかるまでは優しく扱うが、正体がわかった後は、部屋に閉じ込めて吐き気のするという題九を聴かせ続けるという罰を与える始末。罪と罰のソーニャや、レ・ミゼラブルの牧師のような優しい癒やしは無く、アレックスを吐き気から救うのは、政権存続という利己的な動機をもったハゲオヤジである。罪に対する罰はあっても、赦しや救済、そして贖罪の姿は描かれない。この点がこの作品の大きな特徴だろう。

この映画で印象的なのは、暴力的で残忍な場面ほど明るく非現実的に描かれ、アレックスの暴力衝動が抑圧されている場面ほど生臭くリアルに描かれている点だろう。レイプ場面では雨に唄えばが歌われ、CD屋で知り合った娘たちとの性行為は早まわしでコミカルに描かれる。殺人場面に至っては、肉棒の形をしたオブジェが凶器というファンタジックっぷり。残酷な場面が描かれているのに、どこか現実味を感じさせない。結末では、残忍で暴力的で性欲の強い本来のアレックスの妄想が、カラフルな映像、そして第九と共に、非常に明るい雰囲気で描かれる。一方で、暴力の抑制が描かれる場面、例えばアレックスが閉じ込められて第九を聴かされる部屋は、それまでのファンタジックでカラフルな世界観がまるで夢だったかのように、簡素で控えめな造りになっている。こうした点から、暴力を助長している、だとか肯定していると捉える人もいるだろうが、むしろこの映画は全体が逆説的に成立しているような雰囲気があるため、暴力場面の明るさが皮肉的に映る面もあるだろう。そうした狙いもあったのかもしれない。

全体主義国家、暴力の抑圧・解放、少年犯罪、罪と罰。様々なテーマ性がちりばめられているため、深くとろうと思えば深くとることができ、多くを説明しないで投げっぱなしているために、捉えようによってはどのようにも捉えられる映画だと思った。露骨な暴力描写や国家の対応を皮肉ととるか、生臭いものととるかでまた感想は異なるだろうと思う。自分はこの映画を観て、ピエロを観ている気分になった。明るい化粧でコミカルに動く中に、何かそら恐ろしさが隠れている。目には涙が描かれている。そんなピエロのような映画だと思った。ピエロは面白くて悲しい。

評価は非常に難しいが、自分の中の感情が刺激されたという意味で
★★★★★
にしておく。今観ても十分面白い映画だと思う。悪夢の雰囲気が好きな人は観るといいだろう。決して万人向けの映画ではない。感動作やわかりやすい作品が好きな人にとっては★1だろう。あくまで習慣的に点数をつけた場合の★なので、あまり参考にしすぎないように。でも、観たこと無い人は一度観てみるといいだろうと思う。影響を受ける人は受けるだろう。



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物理学者 惠藤憲二のつぶやき

はじめまして物理学者の惠藤憲二です。
すごくいいじゃないですか!!

物理学者 惠藤憲二 |  2013/02/26 (火) 00:44 [ 編集 ] No.357


Re: 物理学者 惠藤憲二のつぶやき

> はじめまして物理学者の惠藤憲二です。
> すごくいいじゃないですか!!

感想をいただけて嬉しいです。なかなか個性的な映画だと思います。

パトリック・ギニョール |  2013/02/27 (水) 00:51 No.360

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