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『小説家を見つけたら』の感想【映画レビュー】

   ↑  2013/02/28 (木)  カテゴリー: 映画レビュー
こんにちは。今日も今日とて映画レビュー。紹介するのは微妙にヒットしていない映画ばかりで、ブログのアクセスは増えない自己満足。笑

TSUTAYA旧作コーナーで借りてきた
『小説家を見つけたら』
についてレビューします。特に考察することはないので、感想のみ。

あらすじ・解説

NYのブロンクスで暮らす16歳の黒人少年ジャーマル・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、プロのバスケットボール選手を夢見るかたわら、大好きな小説を書き続けていた。そんな彼の才能に気づいた学校側はウォレスをエリート私立高校へ転入させる。それと同時期、彼は学校の近くに住む偏屈な謎の老人(ショーン・コネリー)と交流を持つようになる。それは偶然、ウォレスが書いた文章を読んだ老人が感想を走り書きしたことから始まった。やがてウォレスは、その老人が有名な小説家だということを知るが….。
(goo映画『小説家を見つけたら』より引用)

感想(ネタバレあり)

監督は「サイコ」のガス・ヴァン・サント。最後にマットデイモンもカメオ出演するし内容も近いので、グッド・ウィル・ハンティングのガス・ヴァン・サントと言った方がいいかもしれない。笑

原題はFINDING FORRESTER。フォレスターの発見、というわけだ。小説家を見つけたら、とは随分印象が違う。代わりとなる題を考えるのも大変だっただろう。

若い青年と老人の交流と成長を描くというテーマの作品はかなり好きだ。最近だと『最強のふたり』が、そうした内容の良作だった。人間愛や友情をテーマにした映画で駄作は少ない。観終わった後に、あたたかい気持ち、優しい気持ちになることができた。

引きこもりの小説家と、黒人青年が出逢い外へ連れ出していく、というアイディア自体は非常によかったと思う。ただ、この映画は魅力的な設定を活しきれていないように感じた。そのため観終わった後、少々物足りなさを覚えた。どうしてそのように感じたかをまず挙げていこうと思う。

やや物足りなかった点

・知識披露ばかりで、ジャマールの文才が伝わってこない
小説家を題材にしている割にはテキストの個性が不十分だったために残念に感じた。これは脚本家の腕の問題だろう。フォレスターの語る教訓めいた言葉も、どこかで聞いたことのあるような言葉ばかりだ。自分で文章を作る能力の低い教授を劇中で非難しつつも映画自体が「知識の引用」で雰囲気を保とうとしているような矛盾を感じた。

ジャマールは学校の成績の良さとバスケット能力があるという以外には、真面目でごく普通の青年であるため、天才の持つとび抜けた点や危うさといったものがあまり感じとれない。劇中だけを観ていると記憶力が良く、本をよく読む青年にしか見えない。学校の成績が非常に良いというのも、創造性とは何ら関わりの無い部分だと思う。BMWの歴史の解説だとか、名文の引用だとか、ジャマールの持つ「知識」に関する描写のみが目立ったが、小説家を題材とするのだから、知識よりはむしろ「想像力」「創造力」の面でジャマールの個性や魅力を引き出してほしかった。そうした描写が殆ど無かったため、ジャマールの背中から創造性が透けて見えてこなかった。ジャマールがどのような小説を書くのか全く想像できなかった。

外に持ち出すなと言われていた作品を、ナイショで持ちだしておきながら、「何で言ってくれないんだ!」と逆切れする場面もいただけなかった。それ元はフォレスターの作品なんだけど、そんなものをコンテストに出していいのか?としか思えなかった。このエピソードのせいで、ジャマールの文才の説得力が薄れたように思った。

確かに、「文才のある青年」という設定に説得力を持たすのは非常に難しいことだと思う。この映画ではそこが全く成立していなかったのが非常に残念なところ。「最強のふたり」のように、実話だったら、説得力も生まれただろうが、架空の話で説得力が無いと、結果としてややうすら寒い印象になる。「バスキア」等の他の天才が出て来る映画と比べこの映画が全体的に地味な印象があるのは、ジャマールのキャラの薄さゆえだろう。しかし、擦れたところのないジャマールに漂う気高さは、この作品における良さの一つかもしれない。しかしその気高さゆえに感情表現に乏しく、表情の変化があまり見られなかったのは、良くない点といえる。デビュー作なのでそうした感情の演技に関しては仕方がないところもあるかもしれない。ロブの表情や顔つきは、利発そうでかわいらしく、とてもよかったと思う。

・ユーモア要素が少ない
ジャーマルを演じたロブという青年は非常にかわいらしい表情をしているが、やや真面目に描写されすぎたためにそうした無邪気な部分の良さがやや損なわれている。DVD特典で撮影風景を見てみると撮影場所でイタズラをしたりズバズバ喋ったりとジャマールよりもずっと人間味があったので残念。ジャマールは、先ほど上でも述べたがキャラがやや薄い。それでも、小説家であるウィリアムと青年ジャマールの掛け合いには多少ユーモアがありそれなりに楽しめたが、その他恋人や友人との場面では非常にありふれた地味な掛け合いが続くためやや退屈。

・多すぎる理解者
小説家以外にも兄、母、彼女と理解者たくさんいすぎたために、結果として、主人公の抱えるはずの『天才ゆえの孤独』は殆ど見られず、一般人である「非理解者」側の人間が教授一人だったために、一般人としてではなく単に理解の無い大人個人として映ってしまっていた。

理解者が少なく、心に孤独感を抱えた天才青年が、小説家と交流していく中で心を開き、文章の才能を開花させていく、という描き方の方が良かったような気がする。或いは、バスケットボールが上手いから周囲に認められていたジャマールが、スランプで上手くいかなくなってくると同時に周囲からの扱いがひどくなる、しかしそこでたった一人隠れた才能を見出した小説家が、彼の才能を引き出しを世に送り出していく、といったような流れでまとめた方がよかったかもしれない。どうも、主人公が真面目でいいヤツすぎる上に、周囲も優しすぎるため、障害があまりに少なく地味な話になっているような印象がある。元の友人たちが離れていったのも、主人公の文才等の異色さからではなく、バスケットが上手くて勉強ができるから違う高校に行ったことが原因であり、『小説』とは関係ない。

ただ、登場人物に心やさしい人が多かった分、嫌な気持ちにならずすっきり見ることができる、という見方もある。そういう意味では家族向けの映画に感じた。

・テーマの煩雑さ
中途半端に挟まれる恋愛要素は結局物語的に何の効果ももたらさなかった。
「思いがけぬ時に思いがけぬプレゼントを」
だ!というアドバイスの後に早速サイン入り小説をプレゼントをし
「まあ!思いがけないわ!」
という展開はテンポもよくまあ面白かったが、結局モノで釣るのかよという印象も。大して発展にも結び付かなかったことだろう。彼女の父親のことを考え身を引くことを考える主人公の背中を押すだとか、もう少し助言が大きな影響を与えれば全体としてまとまりのある話になったはずだ。結局、彼女と中盤盛り上がるも、終盤は空気になり、ジャマールの心の中の葛藤と何ら関わりの無い存在になってしまった。彼女の父親との関係も未消化のまま終了。恋愛要素は本当に必要だったのか。

教授側も、過去の確執が解決されぬまま、最悪な印象のまま去っていった。バスケットボールも、やたら間に挟まれるが、バスケに力を入れすぎたから小説が、小説に力を入れすぎたからバスケが駄目になる、という演出は殆ど無く、ただ教授への反抗心のためにフリースローを外したような結果に。その場面で感じたジャマールの気高さは確かに良かったが、チームメイトとの確執は結局未消化な雰囲気のまま終了。

カットしておくか、物語に深く絡ませるか、どっちかにするべきだと感じるような要素がたくさん詰め込まれ、結果としてどれも中途半端で終わった印象がある。

・ウィリアム・フォレスター(小説家)の死は必要だったか
ラストが非常に蛇足感がある。特にマットデイモンのカメオ出演は、これ見よがしな感じがして、やや現実に引き戻された。ウィリアムが自転車で去った後に、テロップで「2年後、ウィリアムは亡くなった。ウィリアムの遺作の冒頭は、ジャマールが執筆した。」程度でスッキリ終わらせた方が、余韻が残ってよかったと思う。或いは、ジャマールと別れる際に鍵を手渡して、鍵で開けたところに、もうすぐ癌で死ぬこと、会えて、共に過ごせてうれしかった、この小説の冒頭は君が書いてくれ、という手紙が入っていた、といった終わり方で良かったと思う。

最後にジャマールが手紙を読みあげる場面のテキストはイマイチ。読みあげる表情もやや感情表現に乏しく感じた。抑制しているにしろもう少し表情の変化があってもよかったように思った。作品の効果を考えても、ウィリアムを敢えて死なせる必要はあったのかと感じた。

気になるおすすめ度は……

★★★☆☆
上記したように様々な理由から作品としてやや地味な印象が残るが、悪い作品ではない。地味ゆえの良さもある。暴力やセックスといった過激な描写はとにかく抑えられ、老人の筆のように作品全体が優しいタッチで描かれる。家族、恋人、仕事帰り、どのような状況でも、安心して観られる映画といえる。

レビューサイトでの評価は平均70~80点くらいと、なかなか高いため、アクが強くなく、万人向けの映画といえる。「セント・オブ・ウーマン」「グットウィルハンティング」に似ているという意見も多いが、こうした題材は普遍的で、優れた素材だと思う。監督や脚本家が、その優れたプロットを活かしきれなかった映画という印象があり、そこはやや勿体ないと感じた。うまく演出すれば100点相当の名作・快作に成り得たと思う。

悪かった点ばかり挙げてやや作品の印象を濁してしまったので、良かった点を紹介する。

印象深い場面はいくつかある。特に、ウィリアムが自転車を走らせ、手を広げる場面は非常に印象的。あのシーンのためだけでも観る価値はある。非常に感動した。球場で誕生日を祝う場面も素晴らしい。フォレスターとジャマールの友情が決定的になった場面だ。それぞれの場面で、ショーン・コネリーの演技が非常に良かった。

フォレスターの台詞もなかなかいい。
「第一稿はハートで書く。リライトには頭を使う。」
「考えるな、考えるのは後だ。文章を書く時は考えずに書くこと。」
「自分のために書く文章は、人に見せるための文章に優る」
「女のハートを開く鍵は、思いがけない時の、思いがけない贈り物だ」
「人が一番恐れるものは?自分が理解できぬものだ。」
どこかで聞いたことのあるような台詞も多いが、印象に残った。師匠と弟子のスポ魂モノと捉えてもいいくらい、フォレスターのジャマールへの指導は熱心だ。ほほえましくなった。余命僅かだということがわかっていたため、自分の生きた証や真実をジャマールに残したかったのだろうと思う。

二人の関係が親密で暖かく、そこがとてもよかった。ひねりのないストーリーだが、それ故にわかりやすく、見ていて疲れなかった。暖かい気持ちになれる点、刺激的だったり残酷な描写が少ない点から、家族や恋人と見るのもお薦め。変に頭を使わないので、疲れている時に観てもいいだろう。



その他リンク
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